センサー技術

ソニー社製Pregius S:さらなる進化を遂げたCMOSセンサー

ソニー社製第4世代CMOSセンサーとして業界に新たな革命をもたらしたPregius S。第1世代のIMX174のリリースを皮切りに、ソニー社製CMOSセンサーは世代を重ねるごとに進化を繰り返し、その優れた画質と有用性により、さまざまな産業用画像処理に活用されてきました。

ソニー社製Pregius S

Pregius Sの革新的技術

微細なピクセル+裏面照射構造+グローバルシャッター方式=幅広い画素数、コンパクト、動体歪みなし
上記の公式こそが、Pregius Sが最先端のCMOSセンサーと呼ばれる大きな理由です。

Pregius Sを導入するメリット

画素数、機能、画質、その他の付加価値を含め、Pregius Sは、多方面で従来のCMOSセンサーを上回る性能を実現しています。

Pregius Sを導入するメリット

主な特長

  • 低いピクセル単価:ピクセルサイズを2.74µmに抑えることで、センサー上に配置できる撮像素子の数が増加

  • 幅広い画素数:5MP~24MPに対応し、微細な材料欠陥を正確に検出

  • カメラ台数の削減に貢献:24MPカメラ1台で12MPカメラ2台分の撮影が可能

  • グローバルシャッター方式:高速で動く物体の撮影における歪みを防止。さらに、従来までローリングシャッターセンサー(ソニー社製STARVIS)にのみ採用されていた裏面照射構造を導入

  • 柔軟なアスペクト比

    • 交通・輸送=16:9

    • 医療・ライフサイエンス(顕微鏡観察など)=1:1

    • Cマウントレンズによる高解像度撮影=4:3

  • 微細なピクセル&コンパクトなセンサーサイズ:カメラの小型化・高画素化のニーズに対応

  • 多彩な機能:データ量の低減によるフレームレート向上が可能なマルチROI(最大8×8)など便利な機能が満載

ソニー社製Pregius Sによる検査精度・生産性の向上

革新的な裏面照射型CMOSセンサーとして、画素構造が刷新され、さらに感度が高くなったソニー社製Pregius Sは、微細な欠陥の検出を可能にするだけでなく、フレームレートの高速化による検査の効率化・時間短縮も実現するなど、ファクトリーオートメーションにおける検査精度・生産性の向上に貢献しています。

高解像度・高感度で微細な欠陥を可視化
高解像度・高感度で微細な欠陥を可視化

1. より微細な欠陥の検出が可能

裏面照射構造の導入により受光量が増加。狭い面積でも十分な光を取り込んで処理できるため、感度を維持しながら、ピクセルサイズの小型化に成功しています。また、センサー面をより広く使えるため、従来よりも画素数と解像度が飛躍的に向上していることも大きな特長です。

  • メリット:軽量かつコンパクトで優れた画質を実現するなど、高い精度が求められる細かい検査作業に最適

フレーム数の比較:第2世代CMOSセンサーIMX253(12MP)の25フレームに対し、第4世代センサーCMOSセンサーIMX531(20MP)はわずか12フレーム
フレーム数の比較:第2世代CMOSセンサーIMX253(12MP)の25フレームに対し、第4世代センサーCMOSセンサーIMX531(20MP)はわずか12フレーム

2. 生産性の向上に貢献

ソニー社が開発した高速インターフェース規格SLVS-ECを実装。CoaXPressなど高速データ転送対応のカメラを使用する場合、読み出しフレームレートの高速化が期待できます。しかも、低画素カメラと比べて検査範囲のフレーム数を抑えることも可能です。

  • メリット:検査の処理時間が短くなり、ファクトリーオートメーションにおける生産性が向上

Pregius S - 高画素&低価格

ソニー社製CMOSセンサーは、世代を重ねるごとに技術革新が進み、ピクセルサイズの小型化・ピクセル単価の低下を実現しています。第1世代~第3世代のPregiusと第4世代の"Pregius S"を比較した表を以下に示します。

センサー世代

代表モデル

ピクセルサイズ

画素数(イメージサイズ)

ピクセル単価

第1世代 Pregius

IMX174

5.86μm

2.3MP(1/1.2インチ)

×

第2世代 Pregius

IMX253

3.45μm

12MP(1.1インチ)

第3世代 Pregius

IMX420

4.5μm

7.1MP(1.1インチ)

第4世代 "Pregius S"

IMX541

2.74μm

20MP(1.1インチ)

Pregius Sモデル一覧:高速モデル・標準モデル

ソニー社製Pregius Sには高速モデル・標準モデルの2種類があり、それぞれ6つの画素数を選べます。

高速モデル:フレームレート106~259fps、CoaXPress 2.0対応カメラや10GigE対応カメラに最適

  • IMX530(画素数:24MP、5328×4608)

  • IMX531(画素数:20MP、4512×4512)

  • IMX532(画素数:16MP、5328×3040)

  • IMX535(画素数:12MP、4096×3000)

  • IMX536(画素数:8MP、2840×2840)

  • IMX537(画素数:5MP、2448×2048)

標準モデル:フレームレート35~122fps、低価格であることから、GigE対応カメラやUSB 3.0対応カメラに最適

  • IMX540(画素数:24MP、5328×4608)

  • IMX541(画素数:20MP、4512×4512)

  • IMX542(画素数:16MP、5328×3040)

  • IMX545(画素数:12MP、4096×3000)

  • IMX546(画素数:8MP、2840×2840)

  • IMX547(画素数:5MP、2448×2048)

  • IMX548(画素数:5MP、2448×2048)

ソニー社製Pregius Sがもたらす無限の可能性

動体歪みを防止するグローバルシャッター方式に加え、Cマウント対応のコンパクトな裏面照射型センサーとしてかつてない画素数を実現することで、画像やデータの読み出し速度も向上したPregius S。その可能性は無限に広がっており、微細な材料欠陥・表面欠陥の検出、インダストリー4.0に向けた自動化、設備・機器の小型化をはじめ、今後予想されるさまざまなニーズへの対応が期待されています。

ソニー社製Pregius S搭載カメラ製品

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